松村 亜里
まつむら あり

医学博士/臨床心理士
/認定応用ポジティブ心理学プラクティショナー

略歴

母子家庭で育ち、中卒で大検を取り、朝晩働いて貯金をして単身渡米。英語学校卒業後、NY市立大学に入学。首席で卒業後、コロンビア大学院修士過程(臨床心理学)、秋田大学大学院医学研究科博士課程(公衆衛生学)修了。NY市立大学、国際教養大学でカウンセリングと心理学講義を10年以上担当し、2013年からNYで始めた異文化子育て心理学講座が好評で州各地に拡大。NYライフバランス研究所を設立してポジティブ心理学を広めている。

2017年に日本で一般社団法人ウェルビーイング心理教育アカデミーを設立。2019年9月からは、日本の協会の代表理事を辞任し、世界中に住む日本人を対象に隙間時間に自宅から学べる、オンラインの講座やラーニングコミュニティ(Ari’s Academia)に力を入れている。自分の人生の舵を取り、幸せな人生を創造できる人を増やすために、最新のエビデンスを毎日の生活にとり入れやすい形で提供。

2018年に開講した「世界に通用する子どもの育て方」オンライン講座が好評で、書籍化。それをベースにした「世界に通用する子どもの育て方」ベーシック、及び、アドバンス講座が認定講師により好評開講中。この内容を、企業や教育機関などの組織に応用したいというニーズに応え、実践者と研究者のためのラーニングコミュニティAri’s Academia Businessも始動。

NYLB設立の背景

代表の松村は、母子家庭で育ち、特になんのとりえもなく、自己肯定感がとても低い子どもでした。中学を出て働いていても、夢も見つからず、母に進められて准看護学校に進みました。そこで、精神科の講義や精神病棟でのインターンシップが面白く、心理学をしっかり学びたいと思うようになりましたが、中卒で、大学に行くことなど考えもつきませんでした。ただ看護学校で看護婦だけは向いていないことには気づき、大検を取り、国家試験合格後、ニューヨークに英語留学をします。その後、アルバイトをしながら、短期大学、大学、大学院と進み、カウンセラーと心理学の講師として大学で働くことになります。

心の状態に、とても不幸せだったり、心の病気を持っていて苦しかったりする状態を、‐3、それらが治って問題はないけれど幸せな状態を0、とても幸せな状態を+3と考えると、このプロセスではずっと−3から0に戻す努力をしてきたと言えます。心理学を学ぶことでそれが叶いました。そして、大学で、‐3の学生たちと関わる中で、‐3まで待っていては遅すぎると強く感じ、様々な予防活動をするようになりました。幸運にも、アメリカの大学のカウンセリングサービスでアウトリーチ活動が盛んだったので、そこから学ぶことができ、日本の大学では珍しいことでしたが、そのような活動を積極的に行いました。その後、病気の予防である公衆衛生学をしっかりと学ぶために、社会人学生として博士課程へ進みました。

中卒後、アルバイトを経て学びに戻った時、結果が出たので徐々に自信がつき、一時期は、努力したことはなんでもできるような気がしていましたが、子育てで大きな挫折を味わいます。博士課程の1年目で第一子を授かり、夫がアメリカへ修士号と博士号を取りに行く間、ワンオペ、フルタイム育児、自身の博士論文、つかの間の家族での暮らし、そして第2子出産後、またワンオペ育児と大変な時期が続きました。この時期は、完璧でなければという思いが強く、頼る親戚も近くにいない日本の北国で、子どもはしょっちゅう病気をし、何回も入院し、それでも人に助けを求めることができませんでした。このストレスで子どもたちにぶつかり、いつもイライラしてしまう自分に自己嫌悪を抱いていたとても辛い時期でした。

夫の博士課程が一年過ぎた頃、ワンオペ育児を諦め、大学での仕事を辞め渡米。はじめはキャリアを辞めたことで先が見えず、これまでの経験全てに意味がないように感じた辛い一年間を過ごしました。少しでも好きなことをしようと始めたのが、同じように異国で頑張っている辛い状態の周りの友達を集めて、子育てや異文化の適応に役立つ心理学の理論やスキルを紹介する講座でした。そこで初めて、社会に出る前の大学生や病気の人にではなく、毎日、普通に暮らしている大人に心理学を教えるということを経験し、あまりに早く、良い方向へ変わるのでとても嬉しく感じました。

その講座がニューヨーク各州で広がる中、ずっと学びたいと思っていた、幸せを研究するポジティブ心理学の認定コースがニューヨークにあるというので受講しました。ポジティブ心理学は、うつ病の治療をずっとしてきた研究者が、うつ状態が治ってもクライエントが幸せになっていないことに気づき、提唱した学問です。クライエントの幸せを願っても、科学的な方法が全く分かっていないから支援ができないので、病気を治すことだけでなく、幸せになることも同じくらい大切にして研究しようと。その学びの中で、人は幸せなら病気になりにくいということに気づき、病気になる前の人たちが幸せになることを支援するのが真の公衆衛生学だと、この活動に使命を感じました。

そして、科学的に立証されている幸せになる方法を学び、順番に試してみると、数ヶ月で、それまで20年近く届かなかった「とても幸せな状態」になることができ、これをたくさんの方に広めたい!と思うようになりました。2016年の夏、日本でポジティブ心理学の講演ツアーをしたときには350名を超える方に話を聞いていただき、「これを日本で学べる場所はありませんか?」とたくさんの方に聞かれました。そこで日本の方の協力を得て、ウェルビーイングに関する協会を立ち上げ代表理事に就任し、ポジティブ心理学を学べるコンテンツをたくさん作りました。2年半関わった後、日本に住んでいる人だけではなく、世界中で頑張っている海外在住邦人の方も支援したい、まとまった時間的経済的余裕があり都心の長時間のセミナーに参加するのが難しい方も支援したいと強く思うようになりました。日本人が一人もいないコミュニティにいても、また、子育てや介護や仕事で、学ぶ時間がない人たちも隙間時間で学べるように、オンラインをベースにした講座やラーニングコミュニティを作ることに力を入れたく、日本の協会は辞任して、今の活動をしています。

拙書、「世界に通用する子どもの育て方」は好評で、実践している方達から毎日たくさんのメッセージが届きます。より深く、実践を通して学べるベーシックコースとアドバンスコースも開講し、受講後も学び成長しあえるコミュニティ「Ari’s Academia」の他に、ウェルビーイングやポジティブ心理学を企業や教育などの組織に応用したい人たちのラーニングコミュニティ「Ari’s Academia Business」もスタート。科学的に、人生のどのような状態にいてもそこから自分で幸せを増やせる人たちを支援するための活動を続けています。あなたとあなたの大切な人たちの幸せに少しでも関わらせていただけたら幸せです。

Never doubt that a small group of thoughtful, committed, citizens can change the world. Indeed, it is the only thing that ever has.
-Margaret Mead