日付:2020年7月11日、12日
会場:オンライン
主催:ニューヨークライフバランス研究所
参加人数:105名

 

 

ニューヨークライフバランス研究所では、第2回ポジティブ心理学実践研究会を開催しました。

 

これは、幸せになることを科学的に研究するポジティブ心理学とウェルビーイングを組織、医療、スポーツ、教育、対人支援に
応用することで、幸せな社会を創りたい方々のための研究会として実施されたものです。

海外のカンファレンス形式を取り入つつも、日本社会の中の各分野で実践している方々の取り組みを知り、また学びや協同の場を創造することを目的としました。

 

 

 

 

まず、両日ともプレカンファレンスとして、オープニングの前に「身体的ウェルビーイング とマインドフルネス」ということで、専門の講師による運動と瞑想のコーナーからスタートしました。

ウェルビーイングには身体的なものも欠かせず、20分の運動はその後12時間の幸福度を高めると言われています。

 

 

 

松村亜里/基調講演「不確かな時代に、確かな希望を生み出す5つの要素

 

オープニングの次にニューヨークライフバランス研究所代表の松村亜里による基調講演が行われました。

 

ーーー講義よりーーー

コロナの流行が始まった2020年。

一日の入院患者が2万人にも及ぶ日もあったニューヨークに松村は住んでいます。

落ち込み、いてもたってもいられない気持ちになっていました。

そんな時、親類に赤ちゃんが誕生しました。私の夫は「今の時代に必要なのは『希望』だよね。『希』が付く名前だといいね」と言いました。

それ以来、今まで学んできたことの中でも、「希望」ついて考えるようになりました。

実は、「希望」についてしっかりと理解すると、どのようにしたら希望をつくり出せるようになるのか、とても分かりやすいものなのです。

この、不確かな時代に役に立つと思い、テーマとして選びました。

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①希望とは②希望の5つの構成要素③希望サーキットーーに分け、そのメリットや「希望」が持つパワーについて多角的な面から講義がなされました。

 

 

 

 

 

 

ワークショップ

1日目のメーンイベントは、ポジティブ心理学を導入している専門家によるワークショップでした。

 

◎WS分野1:企業(組織開発)
予測不能時代に求められるワークエンゲージメントの高い組織講師:漆間聡子

ワークエンゲージメントについて学びを深め、実際に「ジョブクラフティング」のワークに取り組みました。
強みについてのシェアタイムの後、参加者の皆さんが満足気な笑みを浮かべた表情で戻ってこられたのが印象的でした。

 

=感想抜粋=
・仕事自体はやりがいがあって、フローを感じることが多いのですが、朝起きてわくわくすることはあまりない。その原因がもしかしたらチャレンジをしていないからかなと思いました。

・ジョブクラフティング! 社員に試したいと思います。

 

 

◎WS分野2:企業(研修育成)
予測不能時代に希望を生み出す強み調査票VIAの活かし方講師:柴田典子

VIAとストレングスファインダーの違いや、VIAのPROレポートの紹介などもあり、強みについて総合的に学んだ後、ブレイクアウトルームで自分が強みを使っている時について、話し合いがなされました。
ブレイクアウトルームから戻られた時の参加者の皆さんの表情がとても印象的で、自分の強みついて人と話すことはそれだけで幸福度を上げるということを目の当たりにしました。

 

=感想抜粋=
・強みを意識してフィードバックすることを心がけるとともに、そういう言葉を探していこうと思います。
・強みについて皆さんとシェアする事で改めて自分の強みをどう活かしているのか意識出来てとても有意義でした。周りの人にも積極的にフィードバックしていきたいです。
・グループワークで、他の人が強みを生かしていると感じている実話や、うれしいと感じる言葉を具体的に知ることができました。自分の職場でも強みを活かしていると感じたときは、ぜひ積極的に声をかけようと思いました!

 

 

◎WS分野3:医療・スポーツ
レジリエンスで困難から回復し、その先を目指すためにできること/講師:江口智子

まずレジリエンスとは何かについて学び、ワークを行いました。

「すべては未来に繋がっていた!」ということを改めて感じることができ、希望を持てる温かい時間となりました。

 

=感想抜粋=
・皆さんの強みストーリーを聞けたのがよかったです! 自分の将来のゴールを明確にするのを、具体的にイメージしてみます。
・レジリエンスと強みについての関係がワークを通してより理解できましたし、他の方とシェアすることで今まで気づけなかったことに気付けとても良い時間となりました。好奇心が満たされ楽しい時間でした。
・レジリエンスについて深く学んだことがあまりなかったので、非常に学び多き時間でした! 他の方のお話を聞いて、自分の強みをどのように活かしていくことができるのかについても改めて考えるきっかけになりました。また、人それぞれ逆境の乗り越え方も異なるのが非常に面白いなと感じました。

 

 

◎WS分野4: 教育
生徒の内発的モチベーションが高まるマインドセット介入/講師:田中 かおり

生徒のマインドセットについてさまざまな視点から学び、シェアをしました。具体的な事例がふんだんに交えられ、参加者も子どもに戻ったような感覚になり、たくさんの気づきを得られた会でした。

 

=感想抜粋=
・毛糸のワークを実際にやってみたいです! 「チョイスマップ」と「The  Power of  Yet」を作って子ども部屋に貼ります!
・私自身がまずは実践して、積極的に失敗談を話そうと思いました。そして、大人がそういう接し方ができるように、広めていきたいですね。
・夏休みの宿題で、学習課題ではなく有名人の努力にフォーカスして調べるという、モデリングができるようなもの出したいです♪

 

 

◎WS分野5:対人支援
自分を大切に、しなやかに生きるための「セルフコンパッション」実践法/講師:小関美江

 

クライアントとの関わりの中で、実際に使っている「セルフコンパッション」について、事例とともに分かりやすくお話しいただきました。ワークを通して、たくさんの気づきがあり、まずは自分を思いやること、「フレー、フレー、わたし」と自分を応援すること、そして、人と関わる時にどう「セルフコンパッション」を取り入れていくのかなど、とても楽しく学べました。

 

 

 

=感想抜粋=
・ワークをやってみて、気持ちが楽になるのを感じました。相手にセルフコンパッションを伝える方法を実践してみたいと思いました。
・私もセルフコンパッションは自分に向けた視点でしか考えた事なかったですが、伝え方を考える良き機会となりました。セルフコンパッションの介入は支援する場となり、虹の架橋になると感じました。

 

 

 

実践発表・分科会

それぞれの分野に分かれて、各4名の実践発表と対話する分科会が行われました。

①企業(組織開発)

「What’s good」「 Benefit Finding,」「理想ルートのSelf-coaching」「希望のワーク」と盛り沢山な内容でした。

ワークを終えて皆さんが明るい表情でワクワクしているのが伝わってきました。

 

=感想抜粋=
・もっとじっくり語り合いたいですねぇ~。ポジティブ心理学や幸せというと、誤解されてヘンな目で見られることも多々ありますが、学ぶ仲間がいるからこそ勇気をもって進むことができるんだなとつくづく感じます。
・「強みはパワフル!」と再確認したので、研修等で広げて行きます。あとは、地道にしなやかマインドセットを体現していきます!

 

 

②企業(研修育成)

組織や対象は違っても、ポジティブ心理学の学びを活かし、相手の中にある強みに注目することで、相手や組織・システムが、繋がりが変わっていくという希望が湧いてくるパワフルなお話を聞くことができました。とても濃いあっという間の時間でした。

 

 

=感想抜粋=
・エネルギーがあふれていて、もっと聞いていたかったです。ポストイットのワークが面白いですね。
・日本での実証結果はとてもワクワクしました!
・コロナ危機で孤立しやすい異国での駐在員のために、創造的な取り組みだと思いました。
・職場での実践はハードルがかなり高かったと思いますが、勇気をもって踏み出して素晴らしいと思いました!

 

 

③医療・スポーツ

「What’s good? 」「ベネフィットファインディング」「理想の未来のためにできること」「希望のワーク」と盛りだくさんの内容で、皆さんがイキイキとした表情になっていくのを見てとることができました。コロナ禍でも、逆境から立ち上がり、幸せに向かうことを、皆さんと共有できました。

 

=感想抜粋=
・発達、心理、教育、リーダーシップ、環境についてもっと学んでいきたいと思いました。
・家族内で留まらないで多くの方に還元できるように学びを深めたいと思いました。

 

 

 ④教育

参加者をグループ分けし4つのワークをしましたが、時間が経つに従ってどんどん盛り上がりを見せました。この素晴らしいつながりに感謝し、希望やワクワクを得て、これから前に進む力となった印象です。

 

=感想抜粋=
・今仕事が大変だけど、まずは「やってみる!」
・オンラインコミュニティ、活動準備を進めていますが、「楽しく安全なつながり」を作るヒントをたくさん学べました。3か月後に実践報告できるくらいに準備を頑張るぞー!

 

 

⑤対人支援

マイナスの状態だったクライアントが強みを知り未来に希望を見られるようになった事例、身近なお片づけのクライアントと関係性を築きクリエーターになったという事例、コーチングでポジティブ心理学の学びをフル活用して成功したいくつかの事例などたくさんの発表があり、ポジティブ心理学のパワーを改めて実感できる分科会となりました。

 

=感想抜粋=
・贅沢にも4人の方の発表を聞かせていただき、幸せでした。私にもできることがたくさんあるって、勇気がもらえました。
・「私の考え」ではなく、クライアントさんが主役であり、クライアントさんの「夢、理想」を引き出せる具体的手法を、今日具体的に教わったので、診察の場に取り入れていきたいです。
・いくつからでも学びも仕事もリスタートできるという勇気をもらいました。

 

 

 

 

お祭りが終わったような高揚感に包まれながらフィナーレを迎えました。

今回は初の試みに挑戦し、ライブストリーミング、FBグループ、ズームを使いこなした2日間合計7時間のオンラインカンファレンスとなりました。

方法も分からない中、模索しながら関係者で協力し合って走りながら考えて作ったオンファインカンファレンスです。

 

 

ご参加してくださった皆さま、運営に携わってくださった皆さま、本当にありがとうございました。

次回は2021年の1月または7月に開催予定です。

 

 

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最後のミニワークで今の気持ちを参加者で入力したワードクラウドの写真

 

【参考】

>>>第2回ポジティブ心理学実践研究会案内ページ