ニューヨークライフバランス研究所(NYLB)代表松村亜里のオンラインサロン Ari’s Academiaで、毎月旬の内容をお届けしている、月一回の月例講義が開催されました。
人生のクリエイターになる方法(TED)
今回は、本の執筆をしている松村が、サロンメンバーに早くお伝えした方が更に役立つのでは、と考え、「ザ ・エンパワメント・ダイナミクス」を今月は取り上げることにしました。
日時:2023年9月9日(土)9時〜10時30分
会場:Zoom
主催:ニューヨークライフバランス研究所
参加者:55名(リアルタイム参加者をカウント。後日アーカイブ視聴も可能)
テーマ:人生のクリエイターになる方法TED
1.松村亜里の近況
2.サロンメンバー からの報告(安曇野リトリート、被災寄付)
を行ってから、講義を進めました。
エビデンスが多いポジティブ心理学を中心に教えてきましたが、エビデンスを知っていくうちに、逆にエビデンスがなくても他の心理学で役に立つものが分かるようになってきた松村。
また、ニューヨークライフバランス研究所(NYLB)の認定講座を修了したチェンジエージェントが増えてきたため、ポジティブ心理学以外でも対人支援に役に立つ心理学を教えたいと思うようになりました。
仕事だけでなく、自身の人生にも活かせる、とっておきの理論や実践方法をお伝えしています!
「講義でご紹介している内容は、真実ではなく1つの考え方やものの見方です」などなど、その他、心理学を学ぶ上での注意点もお話ししました。
悪い人間関係のパターン DDT
悪い人間関係のパターン(The Dreaded Drama Triangle)は、精神科医のステファン・カープマンが1968年に提唱しました。交流分析の系統。
相談者たちの悪い人間関係の共通点を見出した際にパターンを見つけました。
DDT(恐怖のドラマトライアングル/ドロドロトライアングル)には、3つの役割があります。
ハリウッド映画や戦隊モノ、ドラえもんに至るまで(笑)、私たちが観ている映画やアニメなどは、ほとんどがこの恐怖のドラマトライアングルで成り立っています(苦笑)。
具体的に事例を挙げながら、3つの役割について詳しく説明していきました。
また、それぞれの役割には性格的な特徴があるのも興味深いですね。
近年の映画では、女性が犠牲者だった役がクリエイターの役に変わってきていると松村は言います。
それぞれ人には演じやすい役割があると松村は感じています。
この役割は固定ではなく、絶えず交代するのが特徴です。この役割の交代をドロドロと繰り返すトライアングル構図になっています。
原因がどこにあるのだろうと過去や人に問題を探るのは犠牲者マインドセットです。
周りにあるDDTのパターンについて、グループに分かれてシェアを行いました。
みなさんがシェアして感じたことです。
- DDTだらけだー!
- 気付くと知らないうちにDDT!
- その例もDDTなのか、と気づきました。
- その時のエネルギーの状態に応して、DDTに簡単に落ち入る事があると思いました。
- 状況は1つなんだけど、見方によってグルグル回っている!という気づき。
- SNSでも身近の家族関係でも人間関係のドロドロはこの三角関係にあるという気づきでした!
- 確かに!無意識のうちにDDTに。
- 普段の人間関係にも、自分が学ぶ姿勢にもDDTがあることに気付けました。
- DDTの中で仕事だと救済者だが、子育てだと迫害者になりがち。DDTの中にいることに気づいて怖いので、早く救いのTEDを知りたい!!
- 誰もが一度は必ず体験することかと思いました。その体験から、自分でかじ取りすることの大切さに気付くための経験だったのかと、今では思います。
- 職場でのDDTについてお話したところ、クリエイターになるヒントがいただけました。違う視点で職場を見ることができそうです。
- 親子の関係でDDTが出ること、そしてそれが知らずに演じている、ということ。
- 人間関係での悩みはDDTの中にあることが多いな、と思いました。
- 救済者としてDDTに入り込まないために自分を俯瞰することが大事と思いました。
- 無意識でいるとDDTに入り込みがちになるけれど、俯瞰の視点でチェックすると抜け出せる。
- 深いです。まずは「その三角形にいる」と気づくことが難しい。
松村は言います。このDDTの三角形ににいることすら気づかないことが多い。無意識のうちにドロドロになっていて、無意識のうちにずっと抜け出せない、無意識のうちにこんな人生を生きている。
犠牲者オリエンテーション
次にそれぞれのDDTのメンバーの役割についてお話しました。3つの役割があるのですが、その全員が持っている志向を犠牲者オリエンテーションと言います。DDTの人は皆、犠牲者オリエンテーションを持っています。だから役割が入れ替わるのです。
では、オリエンテーションとは何か? それは、基準点のようなものです。行き先を決めるコンパスのようなもので、どのオリエンテーションを持っているかによって、人生のどの方向に行くか、何を経験するかが決まる、ということです。どの人の思考・傾向・興味の一般的または永続的な方向性のことをオリエンテーションと言います。
子どもの頃から人生が過去がDDTに溢れていると、人は未来も同じようになるだろうと予測します。
- ①全員防衛的で、全員身構えている
全員危ない世界の中で自分を守って頑張っている。 - ②全員、ベースにあるものが恐れ(逆にクリエイターの人たちは愛から動いている)
何も人生は変えられない、未来に悪いことが起きるという恐れ。自分が犠牲者になる恐れ。目的をなくすことへの恐れ。 - ③皆、自分の幸せに責任を持っていない
自分で幸せはつくり出せないと思っている。どこかで誰かがしてくれると思っている。人を虐げることで安心感を得ているので他人に依存的。人を助けることで存在価値を感じている。 - ④自己肯定感が低い(I am not enough.)
私は十分でいないという気持ちが強い。自分では何もできないと思っている。自分が弱いことがバレるのが怖い。役に立たないと価値がないと思っている(条件付き)。
オリエンテーションというからには、何を見て、どう行動するかで変わっていくということです。松村が詳しく説明していきました。
また、どういう世界を作り出していくか。「自己成就的予言」という考え方についても説明しました。
犠牲者オリエンテーションというのは、人類のデフォルト。原始時代に生存するために身につけてきたものです(ネガティビティバイアス)。ただ、重要なものではありますが古代のものなので、今の時代にはもう合っていません。TEDを理解して、何にフォーカスするか変えることで、犠牲者オリエンテーションから抜け出すことができます。「セルフリーダーシップ!」です。
クリエイターマインドセット
では犠牲者マインドをどう抜け出すかについて、説明がなされていきました。
デイビッド・エメラルドさんの研究セオリーを松村なりに紐解いてお話ししました。
- 「犠牲者」の逆は「クリエイター」
- 一番の違いは、何にフォーカスしているか
- 犠牲者「何が欲しくないのか」 ←問題や避けたいものなど
- クリエイター「何が欲しいのか」
クリエイターオリエンターションは違うものにフォーカスしています。問題にフォーカスする代わりに、ビジョンにフォーカスしているのです。理想の未来、「自分が人生の中で一番みたいものは何だろう・経験したいものは何だろう」ということにフォーカスしていると言います。
そういうビジョンにフォーカスしていると、熱意や愛情、喜びなどのポジティブな感情が湧いてきます。それが今度は行動のエネルギーになります。自分の願望、自分の叶えたいもののために行動を起こす強力なエネルギーになり得ます。
で、行動は何かというと、ベイビーステップ(理想に近づくための小さな行動)なのです。ポジティブ心理学コーチングそのものですね。行動というのは、理想に近づくための行動であって、不安に反応しているということではないです。
今回は、TEDの中でもクリエイターのお話だけしています。挑戦者とコーチについては次回扱います。
講義中にコメントもいただいたように、ないものでなくてあるものを見ているかという松村が普段からお伝えしているポジティブ心理学の視点に通じます。
このシフトをどう起こすか? 松村が分かりやすく解説していきました。
- 役割のパターンに気づく
- クリエイターとして生きると決める、選択する
- 犠牲者に戻りそうな時は、「私は何が欲しいのか」にフォーカスする
犠牲者で生きていた方がラクはラクではあり、クリエイターとして生きるにはエネルギーが要ることは要ります。ボーッとしていたら、犠牲者マインドに戻りやすくはなります。人のせいにしたり、責めたり、問題ばかり見えてきた時は、「ちょっと待って」と立ち止まる。「私は何が欲しかったんだっけ」「自分の問題なのか」と考え、自分のやりたいことをリストを作っていくことが肝要です。
エメラルドさんは、オリエンテーションを変えるとAIR(空気)が変わると言っています。
「A(Attention)+I(Intention)+R(Results)」と犠牲者・クリエイターオリエンテーションに分けて、詳しく説明していきました。
自分がクリエイターオリエンテーションにシフトしたときに、ミラクルが起きるようになってきます。
最後に、ミラクルが起きた時を思い出してみてのシェアを行いました。ミラクルが起きた時にあなたのビジョンは明確でしたか? 「シンクロニシティや引き寄せが起きた時は、自分がクリエイターでいるよというサインなのかと思う」と松村なりの考えもお話ししました。
これは頑張らなくても何かが手に入る感覚です。「何かを避けたいと思っていた時はすごく頑張っていましたが、何かが欲しいと正直になった時は軽くなった気がしました」と松村自身の経験もふんだんに交えながら講義を進めました。
- この夏初めて一人で海外旅行へ。 高校の時にホームステイで滞在した町へ。 大好きな川のある、古い建物が残る街。 気付くと、お嫁に来ていま住んでいる町が、川のある古い建物のある町でした!!
- 私がDDTからTEDに切り替われた時、引っ越すならこのマンションの1階がいいなと思っていたアパートの部屋に空きがでました。
- ハワイに行きアメリカ帰ると決めた時からミラクルの連続でした。
- 息子をクリエイターとしてみたら、(私が何もしないのに)問題が勝手に解決したことがありました。
- 5年前に引越した時、知り合いになった家族が目の前に住んでいるという嬉しい偶然。
- ミラクルは、近くにこどもにピッタリの幼稚園があったこと
- 今の私に必要な人が昨夜現れました!
- 夏の旅行で、JAXAツアーに。ハワイリトリートメンバーおふたりの家族13人で参加。チケット12枚しかなかったけど、直前キャンセルがでて、全員楽しめた!
- 損得勘定を捨てて、ビジョンをもって行動していると宇宙が味方してくれるようです。京都出張があったので、ダメ元で5年間以上会っていなかった神戸の友達に連絡を取ったら、ちょうどその日程が空いていて再会できたこと。
- 今日のアカデミアの間、子どもも夫も不在になったこと!
- 沖縄で予約がないと無理と言われた琉球ガラス作り、ダメ元で聞いてみたらキャンセルが出て、家族みんなで自分のオリジナルのガラスを作ることができました!
ビジョンを描くときのポイントです。
- 内観の時間を持つ
- 自分の夢を大きく持つ許可を出す
- 限界をつくらない
- 理想の自分を妥協しない
- 現実も正直に受け入れる
ギャップが大きくて不安になっても、やめた方がいいことではない。クリエイターになっても不安はある。不安だけど動く。その時に、夢を手放したり、下方修正したり、現実的ではないと言って納得させたりしないことが大事です。誰がどんな夢を描いてもいいんです。人は妥協したものに魂を注ぐことはできません。本当に本当に欲しいものを描くことが大切です。
今の現実を認めることも大事です。
「あなたが今、一番欲しいものは何ですか?」
今日の一番の学びと次回までにやってみたいこと
- このアカデミアに出られたことがシンクロニシティ! 怖いけど大事なことを今月中に一歩踏み出してみようと思います!
- クリエーターオリエンテーションがとても勉強になりました!自分がほしいものをいつも意識していきたいです。GCでまた実践をシェアできるのが楽しみです。
- 子育てに悩むことが多く、DDTに陥っていたなと自覚。まず自覚できたことが大きな一歩でした。
- 無意識のうちにDDTに入っている。だとしたらやっぱり日記やジャーナリングすることでパターンに気づく事が大切。そうするとこれからどうしたいかがわかると思いました。
- 私は何が欲しいのかにもっとコミットして小さな行動を積み重ねます!本、楽しみです。
- 助産師です。悲惨な状況にいる患者さんを犠牲者ではなくクリエイターになる存在だと思えるようになり、自分自身が一番すくわれました。医療者すべてに知ってほしいです。そして、自分の欲しいものをグーループで勇気をもって伝えることができました。ドキドキしました。
最後には講座に初参加の方々と松村との交流の時間も設けました。
次回は、TEDの後半、他の人に貢献しながら自分もサポートを受けること、クリエイター以外の役割の挑戦者やコーチについても取り扱います。お楽しみに!
Ari’s Academiaとは
Ari’s Academiaでは、代表の松村亜里が講師を務める月例講義や毎月のゆるいワーク課題などを通して、人間関係の悩みの改善、昇進・理想の就職なども起きています!
講義の他にも会員の自主的な部活動やイベントも盛んですので、一緒に学びたい仲間に出会うことができます。
月のどこのタイミングで入会されても、そこから1ヶ月単位での課金となりますので、入会は月初でなくても大丈夫です。
- Ari’s Academia $45/月
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