アドラー心理学<理論編>

 

ニューヨークライフバランス研究所(NYLB)代表松村亜里のオンラインサロン 、Ari’s Academiaでの月一回の月例講義が開催されました。

2023年はとびきり役に立つポジティブ心理学以外の心理学理論6選を講義で丁寧にわかりやすく、実践に落とし込みやすく取り上げています!

 

Ari's Academia 2023 上半期 松村亜里

 

 

3月と4月はアドラー心理学がテーマで、今月3月は理論編を取り上げました。

 

 

日時:2023年3月4日(土)午前9時〜

会場:Zoom

主催:ニューヨークライフバランス研究所

参加者:24名(リアルタイム参加者をカウント。後日アーカイブ視聴も可能)

テーマ:【アドラー心理学】その消えない症状の目的は?原因論と目的論

 

 

アドラー心理学 松村亜里

 

 

アドラー心理学とは

 

今月は、松村もすごくいいなと思っているお楽しみのアドラー心理学。

アドラー心理学を学んでいて、パートナーシップに良い影響を及ぼすなと松村自身が実感しています。

 

前回までのシステム理論と比べると、アドラー心理学はライブ受講生でも、「聞いたことがある」「深く知っている」方々がほとんどで、日本では認知度の高い心理学を松村なりに全体像を整理して、まずは理論編をお伝えしました。

 

 

 

 

アルフレッド・アドラーの生い立ちやキャリアにも触れつつ、日米での捉えられ方の違いについても紹介しながら講義を進めました。「それぞれの理論には学者の生い立ちや経験が強く影響している」と松村は述べます。

 

心理学のそれぞれの理論は、

①ベースとなる理論

②問題の発症の考え方

③最終目標(ありたい姿)

④目的へ行く方法(技法)

 

に分けて、整理して考えられます。

今回、アカデミアの講義でご紹介している心理学も、それぞれ整理してお伝えしています。

 

 

 

『嫌われる勇気』の他にも、アドラー心理学がベースとなっている有名な書籍や読みやすい書籍もご紹介しました。

 

 

アドラー心理学の5大理論

 

 

 

「アドラーは厳しい? 逆を言えば、愛でもある」

 

松村の切り口で、アドラー心理学の5大理論について詳しく説明しました。

 

1. 自己決定論

松村の大好きなエドワード・デシの自己決定理論と似ていると松村は言います。

 

・自分のことは自分で決めている

例えば、変われないということも自分で決断している、ということです。

 

アドラーは、性格のことをライフスタイルと読んでいて、ライフスタイルには「自己概念」「世界像」「自己理想」の三要素があります。

この三要素をどうなりたいのかを考えて行動していけば、ライフスタイルは自由に変えられると言っています。

 

「何でも自分で決める」「すべては自分が決めたことだと認める」「自分の人生に、幸せに責任を持つこと」と述べています。

松村は自身の事例や他の研究を織り交ぜながら説明しました。

 

アドラーは、自分で決めていないと思っていることも、すべて自分で決めているという考え方です。

 

松村からの問いをシェアしての感想です。

  • 自分で決めることで人生を「切り開いている」という感覚が鍵だね、とみんなで思いが一致しました!
  • 過去の後悔や仕方なかったことをアドラーの自己決定に照らし合わせると深く理解できるというか、納得ーーって気がしました。
  • 皆さん「自己決定せず辛かった経験があるから今は自己決定している」という話が印象に残りました。全部必要なプロセスだたのかもしれないなどと思いました。

 

自分が決定してきたと認めるのがアドラー的。それができるようになると、また人生が変わってきます。

 

 

2. 目的論

人の行動には必ず目的がある。

これが、松村に取ってアドラー心理学の中でも一番衝撃的と言える考え方です。

細かく事例を出し、原因論(フロイトなど)と比較しながら説明しました。

 

アドラーはトラウマを否定しているわけではないが、トラウマがあったとしても行動できない理由にはならない、変わることはできるという考え方です。

本当はしたくないから、したくない理由として持ってきている。毒親に育てられたとしても、現在の行動と未来にはないという考え方です。

 

 

問い:理由をつけてやっていないことは? 目的論と原因論について

  • もっと痩せて綺麗になりたいけど、「辛いトレーニングはしたくない」と思っているから、トレーニング始められないのかも。
  • 子どもが小さいからできないと思っていたけれど、子どもが小さくてもPPC受けてみたら、見えてくる未来が変わりました!自分で決めていたんだと腹落ちできると、イライラ・モヤモヤしない。「でも自分でそれを選んだんだよね」は見方を変える良い視点だと思います。
  • 例えば「病気」なんて誰一人なりたくてない、それを決定論で考えると・・・とか、学びたくない語学、なら学ばなくていいのでは?、とか短時間でしたが深くて濃くて重い問いでした。
  • 結果の見え方が変わりますね。目的論で考えると、やっぱりある一定の目的は達成されてます(コンフォートゾーンに留まりたいとか、今が好きとか)
  • したくない理由を目的論で考えると「やらなくていいじゃん」という結果に落ち着きましたが、やらないと生活に困る…というループ。「生活を快適にする」という目的に置き換えて実行したらいいのでしょうか?
  • 理想に向けて動けないのは面倒とか今の状況である程度満足しているからと思えました。

 

参加者のシェアがとても参考になり、さらに学びが深まります。

 

何の原因でその行動していたのかでなく、何の目的で行動したのか、という視点です。

 

 

3. 全体論

皆さんのシェアからも伺えた疑問点についても、こちらで説明・解決していきました。

システム理論や感情・思考・行動の歯車と似ている考え方です。

 

「わかっちゃいるけどやめられない」は、人生の嘘とアドラーは言っています。

意志が弱いのではなく、本音でそう思っていない、本当は望んでいないから。本当は辞めたくない。だから、叶わない、という考え方です。

 

4. 認知論

人は世界を自分の見たいように見ているという考え方。

事実は存在せず、存在するのは解釈だけで、人は見たいように物事を見て、自分なりに解釈=意味づけをしているという考え方です。

 

理想は、ポジティブにもネガティブにも意味づけせずに、物事をニュートラルに捉え、受け入れるといいですよということを言っています。

アドラーでもリフレーミングをよく使います。

 

5. 対人関係論

悩みのすべては人間関係、と言っています。

仕事・交友・愛のタスクが人生においては大事で、これらのすべてに人間関係が関係してきます。

例えば、いいものが買えないと思うのも、人にどう思われるかという気持ちが作用しています。

 

人は分かり合えないという前提。だからこそ、できるだけ分かろうと努力することが大事。役割の違いはあっても対等と言っています。

 

人を信用するのではなく、信頼することが大事と言っています。相手を信じるという選択をしていくということです。人が信頼できるようになるといろいろな問題が解決してくると言っていますが、それは次回の実践編でお伝えします。

 

 

アドラー心理学の問題の考え方

 

 

人には劣った部分を補う力が存在すると言っています。

劣等性に持っている感情を劣等感という。劣等感自体は何の問題もない。むしろ、劣等感があるからこそ、克服のために頑張れるとすら言えます。

 

何が劣っているかというのは、時代や社会によっても変化する人が作り上げたものであります。

 

「劣等性」「劣等感」「劣等コンプレックス」に分けて、分かりやすく説明しました。

問題は、劣等コンプレックスです。

劣等感を理由に人生の課題に向き合えない状態で、勇気をくじかれている状態だと言っています。

 

完璧主義、比較社会(褒められる・叱られる)、器官劣等性(機能価値と存在価値の混同)、反芻など、現在は、劣等感を感じやすい時代だと言われてはいます。

 

 

まとめと感想

 

アドラー心理学を初めて教えた松村。参加者からも分かりやすいというコメントをたくさんいただきました^^

 

松村がこれまでに教えてきた、エドワード・デシの自己決定論や理想に向かう目的論など、ポジティブ心理学との共通点もたくさんありました。

 

講義に聞き入ったりメモを取ったり向学心あふれる仲間と学びを共にできることを嬉しく思います。

 

 

 

 

参加者の感想の一部をご紹介します!

  • わかりあえないことが前提、というのが心に残りました。また、以前 目的論を聞いたときは、理解できない(理解したくない)自分がいたのですが、今日は違う印象でした^^ 自分も変化しているからかもしれないです。次回の勇気づけと自己効力感のつながりも興味深いです!
  • 目的論響きました~コンフォートゾーンに居て得られているものにも感謝しつつ、少しずつ小さいことから理想のライフスタイルに向けて行動していきたいなと思います!
  • 「不満に思う事柄も、決めているのは自分」と改めて気づき、一見厳しいようだけど励まされる感覚もありました。
    幸せに過ごしたい!という”目的“から、自分の行動を考えてみたいなと思います。
  • 今日もありがとうございました!目的論にメガネをかけかえるの、なかなか練習が必要そうです、グサグサくるところもありましたが、目的論でリフレーミングしてみることをしてみたいと思います。
  • 原因論で考えていることが多かったのですが今起きていることは自分で決めてきたことなのだと思うと言い訳ができないです笑
    アドラーの本を読みましたが亜里さんの講義でとても深まりました。ありがとうございました。

 

 

松村は、今回アドラー心理学を学んでみて、もっと深く極めてみたいな〜と思いました。

 

 

来月は、アドラー心理学の実践編です。次回を学ぶと、さらに落とし込めるようになると思います。お楽しみに!

 

 

Ari’s Academiaとは

 

 

Ari’s Academiaでは、代表の松村亜里が講師を務める月例講義や毎月のゆるいワーク課題などを通して、人間関係の悩みの改善、昇進・理想の就職なども起きています!

講義の他にも会員の自主的な部活動やイベントも盛んですので、一緒に学びたい仲間に出会うことができます。
月のどこのタイミングで入会されても、そこから1ヶ月単位での課金となりますので、入会は月初でなくても大丈夫です。

  • Ari’s Academia $45/月
  • NYLBの3回以上の継続講座修了生で初めて参加される方は、受講中、または終了後1ヶ月割引で参加できる場合があります。担当講師に確認ください。

 

 

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