アドラー心理学<実践編>

 

ニューヨークライフバランス研究所(NYLB)代表松村亜里のオンラインサロン 、Ari’s Academiaでの月一回の月例講義が開催されました。

2023年はとびきり役に立つポジティブ心理学以外の心理学理論6選を松村亜里がピックアップし、講義で丁寧にわかりやすく、実践に落とし込みやすいように取り上げています!

 

Ari's Academia 2023 上半期 松村亜里

 

3月と4月はアドラー心理学がテーマで、今月4月は理論編を取り上げました。

 

 

日時:2023年4月5日(水)21時〜22時30分

会場:Zoom

主催:ニューヨークライフバランス研究所

参加者:46名(リアルタイム参加者をカウント。後日アーカイブ視聴も可能)

テーマ:【アドラー心理学】その消えない症状の目的は?原因論と目的論

 

Ari's Academia 松村亜里

 

 

 

チェックインから始まり、「講義でご紹介している内容は、真実ではなく1つの考え方やものの見方です」など、その他、心理学を学ぶ上での注意点をまずお話ししました。

 

 

 

前回のおさらい アドラー心理学とは

 

前回の開催報告はコチラです。

https://lifebalanceny.org/4131

 

 

アドラー心理学はとても深いので、まとめられる範囲でお伝えしています。とても役に立つと松村は思っているので、さらに興味がある方は、ぜひ本なども併せて読んでみてください。

アメリカの心理学ではエビデンスのないものは淘汰されていくので、松村はもったいないなと感じています。

 

まずは、前回お伝えした以下の内容を軽くおさらいしました。

 

<五大理論(基本前提)>

  • 対人関係論 ー つながりがアドラーの中では大事
  • 全体論 ー 分離して考えるものも実はつながっている
  • 自己決定(主体)論 ー すべて自分が決めている
  • 認知論 ー 人それぞれ見方が違う。自分のメガネで見ている
  • 目的論 ー 松村としては面白いと感じている。未来の目的のために今がある

 

松村自身も時間は未来から流れてくると最近は感じています。最近ではポジティブ心理学の祖のマーティン・セリグマン博士が、「時間が未来から流れてきて未来から自分が引っ張られている感覚」を研究しており、この夏にバンクーバーで開催される国際ポジティブ心理学世界会議でも、発表がなされるそうです。

 

人生の悩みは人間関係で、なぜかというと、人生の目的が共同体感覚(つながり)だからです。

 

<問題の考え方>

  • 劣等性と劣等感と劣等コンプレックス ー 事実か自分が思っているかどうか。バネにすることもできる
  • 勇気がくじかれている
  • 人間関係
  • 共同体感覚が欠けているから

 

 

今日は主に共同体感覚とはどういうものかということと、育む方法についてお話しします。

 

 

アドラー心理学の実践の目的

 

<共同体感覚の育成>

共同体感覚こそが、悩みから解放され、幸せになれる唯一の道

 

アドラーの教えはとてもシンプル。アドラーにとっては心理学や人生というのはもっともっとシンプルなものなのだと松村は感じました。

 

心の病、依存症、犯罪などは共同体感覚の欠如から起こるとアドラーは言っています。

 

では共同体感覚とは?

  • 人は一人ひとり独立したものではなく、仲間や社会、広くいうと全人類、地球とも1つであり、すべてに属しているという考え方
  • 人類の幸せの最終地点 ー 人に生まれつき備わった本能で、人は元々誰かとつながりたいと切望する存在である

 

アドラーは今からしたらだいぶ前の時代の心理学者で、アドラーが共同体感覚を唱え始めた時に科学的でないからと離れていった学者たちも多いです。が、今現在はまたアドラーが説いている方向にトレンドが向いています。2年前の国際ポジティブ心理学世界会議でも、アドラーの考えに通ずる発表がとてもありました。

 

  • 誰かに共同体感覚をもらうものではない。意識して主体的に育成するもの

社会の中の居場所とも言えるものです。これは、誰かが用意してくれるのを待つものではありません。

 

 

<共同体感覚の3要素>

  1. 他者信頼「周りの人は私を支援してくれる」
  2. 自己信頼「私は周りの人に貢献できる」
  3. 所属感「私は共同体に居場所がある」

 

共同体感覚の三要素について説明し、問題行動の目的と共同体感覚の関係についてもお伝えしました。

 

 

では、共同体間感覚を高めるためにどのようなことができるでしょうか?

松村が今までずっとお伝えしてきたポジティブ心理学との親和性がとてもあります。

 

  1. 勇気を出して誰かに頼ってみる
  2. 勇気を出して貢献してみる(見返りを求めずに。自己満足で良い)
  3. 複数のコミュニティに所属する(コーチを持つ。パートナー)

 

これらはすべて勇気づけになります。

 

あなたのコミュニティでどのような貢献ができますか?

他の人を喜ばせる方法(親切・徳を積めること)は?

  • 感謝を表す
  • 強みのフィードバック
  • 人の話を聴く
  • 自分がまず頼んでみる

などなど、たくさんのシェアが出ました。

ぜひ、皆さんもやってみてください!

 

「すべての問題は貢献をすれば治る」というアドラーの考えは斬新かつシンプルですね^^

 

 

 

アドラー心理学の技法 ①勇気づけ

 

 

 

ポジティブ心理学を学び、松村がいろいろお伝えしてきた技法はすべて「勇気づけ」でした!

 

アドラー心理学は、人間性心理学の源流です。ポジティブ心理学の父がマーティン・セリグマン博士で、ポジティブ心理学の祖父が人間性心理学と言われています。人間性心理学はポジティブアプローチをするもので、今後のAri’s Academiaの月例講義でも取り上げていきます。

 

 

人生には「仕事」「交友関係」「愛」の3つの課題があるとアドラーは言っています。人生は課題の連続ですが、その課題に勇気を持って挑戦し克服することが、幸福につながります。課題の克服に必要なのが”ガソリン”である「勇気」なのです。

 

傷つくことを最小限にしようと思ったら挑戦しないのが一番いい方法ですが、それは幸せにはつながりません。そこで、勇気が必要になります。

 

勇気とは?

  • 困難を克服活力
  • アドラー心理学実践の際に核となる概念
  • 劣等コンプレックス克服を諦めた人を力づける方法

「勇気くじき」とは、人が自分を取るに足らないちっぽけな存在と考え、孤独を感じ、何も信じられなくなる時に勇気を失った状態。松村自身の絡めて勇気がくじかれた状態の説明をしました。

 

では、勇気づけの方法とは?

松村が整理して、「勇気づけ」と「勇気くじき」を対比し、ポジティブ心理学の概念も取り入れながら例を挙げてお話ししました。

 

また、勇気にもいろいろな種類があり、「普通である勇気」というのもあります。優越感は一種の劣等感。劣等感があるから自分が上に上がろうとする。どこかで特別になろうとする。ただ、苦しくなる。特別でなくていいという勇気が、普通である勇気です。他にも「自分である勇気」「嫌われる勇気」「失敗する・挑戦する勇気」「幸せになる勇気」をご紹介しました。

 

勇気づけは褒めることとは違うということを確認し、細かく説明を行いました。

 

 

アドラー心理学の技法 ②課題の分離

 

 

技法≒考え方になります。課題の分離については、松村の著書『世界に通用する子どもの育て方』でも書いてあります。

 

あなたが悩んでいる問題は、本当にあなたの問題なのでしょうか? 子どもが勉強しないのは誰の問題?

  • 自分の課題は自分が責任を持つ
  • 他人の課題には介入することなく、相手に責任を全うしてもらう

 

では、それが誰の課題かというのはどのようにして分かるのでしょうか?

  • その問題を放置した時に一番困るのは誰か?
  • 問題は、ほとんど人間関係に起因。ただ、人間関係の問題は、他人の課題に土足で踏み込むことによって起こる
  • 相手に問題に関して私たちができることは支援のみ。支援できる準備があることを伝え、見守る

 

課題を分離する際のポイントを細かくお伝えしました。

  1. 人の課題に足を踏み込まない
  2. 自分の課題に人に足を踏み込ませない

 

 

アドラー心理学の技法 ③早期回想

 

 

 

10歳以前の記憶をいくつか語ってもらい、その人が自分や世界のことをどう見ているかを推察する方法です。なぜなら、アドラー心理学では、勇気がくじかれてしまうのは、「どうせ自分は◯◯な存在だから」や「世界は◯◯なところだから」と自分や社会を否定的に認知しているからだと説きます。自分をどう見ているかや世界観は10歳以前の経験から起こりやすいと言われています。

聞く時のポイントについてもお話ししました。

 

信頼は無条件で信頼すると決めること。信用とは条件があること。他者信頼はどこから来るかということ、怖いけど誰かに頼ってみることです。

他者信頼と自己信頼をセットで考えてみてくださいね。

 

 

 

まとめ 感想ややってみたいこと

 

松村が初めて紐解いたアドラー心理学、いかがでしたでしょうか?

 

今まで松村が教えてきた技法の数々も、すべて勇気づけだなと感じています。

 

共同体感覚は自分が主体的につくるとアドラーが言っているのが、とてもいいなと松村は思っています。専業主婦の幸福度が低いのは、共同体感覚が持ちにくいからかな、とも思いました。

 

自分が完璧でないことを受け入れられず、頼れない人は完璧さを求めている人ということになります。逆に「感謝する」「貢献する」を受け取る人がいなければ、できる人も減ってしまうということ! 言い訳せずに、主体的に動いてみましょう! さあ、あなたはまず何から始めてみますか?

 

 

 

皆さんの感想の抜粋です。

 

  • 頼られることは好きなのですが、頼るのが苦手という話が出ました。でも、「頼むことがその人への貢献」とおのPさんが言ってくれたのでそのマインドで勇気をもって頼ってみます。
    出産間近なので、周りの人に「助けてね」と言ったり、助けてくれる人の行動を素直に受け取りたいと思います。今は受け取る時期と思って、いつか循環させたいです。
  • 貢献できる場を用意することも貢献。「頼る」をやってみようと思いました!
  • 1年4ヶ月の休職を経て今日から新部署で復職しました。20年勤続している会社なので、移動先でも初日から安心感や居場所を感じることができたのですが、これが「共同体感覚」だったんだなーと思いました。人事戦略室という部署のマネジャーになったなので、ウェルビーイングの企画を提案実行してゆきまーす!『7つの習慣』読書会も秋までコツコツ続けまーす!
  • 頼れないとか許せないとかは、相手をその程度の人って判断してたんだな・・・って知ったら、私、何様って(笑)。今ではお願いしまーすがすっと言えるようになってきました。最近のテーマは「寛容になる」です。
  • 新しい環境に入ったばかりで、まだ自分の居場所を作ろうとしている段階でコミュニティに頼る&貢献するのは難しい…と思っていましたが、これまでに自分が築き上げてきた関係(友達や家族)もあることをリマインドしてもらえました。忙しいことを言い訳にせず、しばらく連絡できてなかった友達や家族に今週末電話してみます(^ ^)
  • 頼めないのは、相手を見下している事!!
  • 学び:「人に頼ることがその人への貢献になる」というマインド!
    やってみたいこと:課題の分離について悩みがあるので、オンラインサロンのグローバルサークル(GC)に出て相談させていただこうと思います。
  • 感謝することは相手への勇気付けになる!感謝の強みが高いのでこれはどんどんやります!
  • 私にとってはアドラー心理学=ポジティブ心理学と思えるくらい、これまで亜里さんから学んできたことと似ていて、すっと理解することができました。新しい感じがしなかったです!自分で決めたことに責任を持つことをやっていきたいです。

 

 

 

次回は「選択理論心理学」です! サロンメンバーには講義1週間前くらいに診断テストのリンクをお送りします♪

皆さまの“心理学の道具箱”にどんなツールが増えるか、ワクワクしますね!!

 

 

Ari’s Academiaとは

 

 

Ari’s Academiaでは、代表の松村亜里が講師を務める月例講義や毎月のゆるいワーク課題などを通して、人間関係の悩みの改善、昇進・理想の就職なども起きています!

講義の他にも会員の自主的な部活動やイベントも盛んですので、一緒に学びたい仲間に出会うことができます。
月のどこのタイミングで入会されても、そこから1ヶ月単位での課金となりますので、入会は月初でなくても大丈夫です。

  • Ari’s Academia $45/月
  • NYLBの3回以上の継続講座修了生で初めて参加される方は、受講中、または終了後1ヶ月割引で参加できる場合があります。担当講師に確認ください。

 

 

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