日付:2024年3月10日

会場:オンライン

主催:ニューヨークライフバランス研究所

参加人数:210名

 

ニューヨークライフバランス研究所(NYLB)は、「第4回ポジティブ心理学実践発表会」をオンラインで開催しました。

2年ぶりとなった今回の参加者数は、過去最高の210人。このうち、NYLBサロンメンバー以外の参加が約3分の1を占め、新たな繋がりと希望あふれる、豊かな時間となりました。

 

 

当研究所代表・松村亜里による基調講演に続き、ポジティブ心理学認定者(※)18人が、5つの分野に分かれて発表。

仕事や家庭、生活のさまざまな場面で、ポジティブ心理学の学びを実践し、どのような変化が起こったのか、生の声をお届けしました。

 

※ 「ポジティブ心理学認定者」とは主に、NYLBが主催する「ポジティブ心理学コンサルタント養成講座」または「ポジティブ心理学コーチ養成講座」を修了し、学んだことを自分の仕事や家庭等で実践している人達を指します。

 

 

松村亜里/基調講演

「逆境を幸せに乗り越える3つの秘訣」〜トラウマ後成長〜

 

冒頭は、ポジティブ心理学者で医学博士の松村亜里(当研究所代表)による基調講演。

「逆境を幸せに乗り越えるための秘訣」について、具体的な事例や自身の実体験を交えながら、分かりやすくお伝えしました。

 

 

誰の人生にも突然降りかかる逆境ですが、「ポジティブ心理学を学んでおくことで、幸せに乗り越えられる」と松村は断言します。

 

大事故後の追跡調査などからも、辛い経験を乗り越え「人生が良くなった」「大きく成長できた」と感じている人が、少なからず存在することが分かっています。

 

松村は、このような状態を指す「トラウマ後成長(PTG)」に注目。自ら困難を克服した体験を紹介しながら、逆境を幸せに乗り越えるための3つの秘訣をお伝えしました。

 

「人はそもそも、フラジャイル(弱くて壊れやすいもの)ではなく、アンチフラジャイル。叩くほど強い鋼になるように、人間も逆境によって強くなる」と強調。

 

「辛いことが起こってしまう前に、ぜひポジティブ心理学を学んでおいてほしい。そうすることで逆境を幸せに乗り越え、成長することができる」と締めくくりました。

 

◆ 参加者の感想「今日の一番の学びとやってみたいこと」◆

 

・逆境も含めて全てが、人生の学びと成長の機会だとあらためて思いました。

・「この逆境から『何を学ぶか』を決める」という言葉が印象的でした。

・亜里さんは、ポジティブ心理学の研究者であり、まさに実践者! 生き方が指針になります。

・初めて学びましたが、研究として興味ある主観的幸福感とつながるものだと感じました。

・改めてポジティブ心理学の素晴らしさを実感しました。事前に知っておくと軽やかに乗り越えられる。それを実感しそうな出来事の真ん中にいます。やってみます。

 

 

実践発表会/

ポジティブ心理学とウェルビーイングを導入した実践発表

 

基調講演の後は、ポジティブ心理学認定者18人による実践発表。

「企業・組織」「教育」「家族・子育て(乳幼児子育て)」「家族・子育て(それ以外)」「キャリア・ライフサポート」の5分野に分かれ、さまざまな現場での実践例を共有しました。各分野での発表や交流の様子を、ファシリテーターの感想とともにご紹介します。

 

◎1:企業・組織

【発表内容】

◇ 石原寛人「メーカー工場の従業員を対象とした、幸せに働くための強みセミナーの実施」

◇ 石原直樹「全社員の対話の場をデザイン! 企業理念と行動指針策定プロジェクトにおけるファシリテーションの実施報告」

◇ 鈴木美穂子「成果重視の組織で疲弊している会社員が『自律性高く自走するチーム』になるための強みWSの実施」

◇ 川西智也「幸せになるための行動習慣を広げるための対話カード作成とセルフコーチングChatGPTの開発」

 

 

【ファシリテーター感想】

チャットでは、特に長文での感想が目立ち、参加者の注目度や関心度の高さを感じることができました。

組織・企業は「自分の力では変えられない分野」と思われがちです。それでも「変えていきたい」という意志を持った参加者が、発表者の取り組みを聞き、自分ごととして落とし込んでいたように感じました。その結果、皆さんの希望と熱意が上がったものと思われます。

特に質疑応答では、初めの一歩や導入に関する質問が多く、まさに次の一歩に繋げようとされている姿勢が伺えました。

 

◎2:教育

【発表内容】

◇ 小林史華「疲れている教職員を対象とした、燃え尽き予防のための、子どもも教職員も幸せになる立ち話1分コンサルの実施 」

◇ 杉山真理「児童が安心して過ごせる学級づくりのためのポジティブ心理学」

◇ 真崎昌子「中高生の自己効力感を高めるためのポジティブ心理学講座実践報告(教職員向け・保護者向け・生徒向け)」

◇ 長沼奈絵子「ウェルビーイングを高める大学授業内活動の実践報告」

 

 

【ファシリテーター感想】

「すぐやってみよう! 明日から自分もやれるかも!」と思える実践を共有できました。

1分から気軽にできる「立ち話の実践」によって先生方の関係性に変化が現れたという報告では、「明日職場でやってみよう」と、参加者の勇気を引き出すきっかけが作れました。

報告者たちの生き生きとしたエピソードから、「子どもたちの変化に感動」という声が多数。生徒や保護者、教員に向けたポジティブ心理学の実践は、多様な対象者に有効であることも実証されました。これからもできることを丁寧に、時には大胆に取り組んでいきたいです。

 

◎3:家族・子育て(乳幼児)

【発表内容】

◇ 安藤智絵「乳幼児子育てママを対象とした、セルフコーチング講座の実践」

◇ おのざかひろみ「乳幼児ママを対象としたポジティブ心理学介入をとりいれた、こどものねんね講座の実施」

◇ 鈴木みさお「新生児訪問での母親を対象とした、母親の幸福度と自律性を高めるためのポジティブ心理学介入の効果」

 

 

【ファシリテーター感想】

参加者の方々から、たくさんの強みやリソース、感想のシャワーをいただきました。発表者自身が、逆に力をいただきました!

ポジティブ心理学介入の実施前と後での変化を感じた方が多かった印象です。また「乳幼児ママの現状もよく分かった」とのお声もいただきました。

最後、ご自身で今後取り入れてみたいところのアカウンタビリティでは、それぞれが具体的に宣言されていて、とても希望の溢れる会になりました。

 

◎4:家族・子育て(それ以外)

【発表内容】

◇ 森真智子「子育て中のママを対象にした、子どもも自分も幸せになるための親子コミュニケーション講座の実施報告」

◇ ヨダアヤ「思春期の子をもつお母さんを対象とした、親子関係を改善する取り組みの実践報告」

◇ はらのあすか「小学生ママの夫に伝わらないモヤモヤがスッキリするポジティブ心理学講座0期開催報告」

◇ 吉田由佳「『もう何処に引っ越しても怖くない』 異文化子育て奮闘中ママ達へのリアル講座、実施報告」

 

 

【ファシリテーター感想】

初めての方も、チャットへの書き込みにチャレンジしてくださり、発表が進むにつれコメントの熱量が高まってきたのが印象的でした。

発表者全員が講座を主催しているため、講座での実践報告となりました。それぞれの受講生の変化から、未来への希望を感じられた方が多くいらしたようでした。

「実践発表会で発表する、という勇気に刺激をもらった」というお声も。内容以外の部分でも、それぞれの心に響いたことは、発表者にとってさらに嬉しい経験でした。

 

◎5:キャリア・ライフサポート

【発表内容】

◇ 大野由佳「40代からの強みを活かしたキャリアビジョン創造コーチング」

◇ 川口三枝子「生きづらさを抱える人がWell-Beingを高めるための自然療法(ハーブ・アロマ)とポジティブ心理学を取り入れた実践報告」

◇ 金井塚希映「自己犠牲で生きてきた女性が『どんな環境でも自分で幸せになれる』を実現するWell-Beingグループ講座の実施報告

 

 

【ファシリテーター感想】

発表者3名のテーマが幅広いものだったので、参加者には、ポジティブ心理学が様々な分野に応用できることを実感していただけたと思います。

感想では、「強みのフィードバックのパワフルさや、実践することの大切さを実感。自分も行動していきたい!」という声が多く聞かれました。また、どんな経験もリソースとして活かせ、専門分野とポジティブ心理学の組み合わせで自分も貢献ができることに、希望を感じた様子でした。この学びが、多くの幸せに繋がる可能性を確信しました。

 

***

 

ポジティブ心理学を実践することで、自分自身はもちろん、家族や職場、クライエントにも幸せが広がっていく。そんな豊かなつながりを実感できる発表会となりました。

 

NYLBのポジティブ心理学の認定講座は、およそ半年のコース。各自好きな時間に動画で学び、その後受講生が集まってディスカッションを行います。さらにスキル勉強会で実践を重ねるため、理解が一段と深まります。

 

次の認定講座「ポジティブ心理学コンサルタント養成講座」は、5月の開催を予定しています。

無料で受講できる「ポジティブ心理学入門講座」も4月22、23日に開催。ぜひこの機会にご参加ください!

 

募集開始のお知らせや講座の案内は、当研究所の公式LINEからお知らせします。

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